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勧進帳(かんじんちょう)

 兄頼朝<よりとも>と不和になり、山伏<やまぶし>姿に身をやつして奥州<おうしゅう>へ落ちる源義経が、加賀国安宅の関<あたかのせき>にさしかかるとき、関守の富樫左衛門<とがしのさえもん>に見とがめられる。弁慶は機転で偽りの勧進帳を読み、さらにを主君を打擲<ちょうちゃく>する。弁慶の苦衷<くちゅう>を察した富樫は一行を通す。能の『安宅』をもとにして松羽目物<まつばめもの>として脚色した作。

初演年月 元禄15年(1702)2月
原題名 星合十二段
ほしあいじゅうにだん
初演者 初代市川團十郎
初演劇場 中村座 (江戸)
テキスト:服部幸雄著『市川團十郎代々』(講談社刊)より
写真:渡辺文雄撮影