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蛇柳(じゃやなぎ)

 丹波の助太郎という愚か者に、失恋の末に死んだ娘の亡魂が乗り移り、嫉妬<しっと>の荒れを見せるといった内容だったらしい。蛇柳は高野山の麓にある柳で、弘法大師の功徳<くどく>によって千年の緑を保つとされた。女人禁制の寺ゆえに、男に捨てられた女の怨念<おんねん>がこもるのを蛇に通わせて生まれたという伝承を背景にしている。昭和22年(1947)5月、市川三升が復活した(川尻清潭<せいたん>脚本)。

初演年月 宝暦13年(1763)5月
原題名 百千鳥大磯流通
ももちどりおおいそがよい
初演者 四代目市川團十郎
初演劇場 中村座 (江戸)
テキスト:服部幸雄著『市川團十郎代々』(講談社刊)より
錦絵:国立国会図書館蔵