お家の横領を企む悪人の奸計<かんけい>で姫は髪の逆立つ奇病になり、約束の婚姻が延引する。主人の使いで婚礼の催促にきた粂寺弾正<くめでらだんじょう>は、鉄製の毛抜が自然に立って踊ることから、天井に磁石があると見破り、悪人を退治して婚儀を成立させる。明治42年(1909)9月、二代目市川左團次が復活(岡鬼太郎補綴)した。