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押戻(おしもどし)

 紅<べに>の筋隈<すじぐま>、鋲打ち<びょううち>の胴着<どうぎ>、菱皮<ひしかわ>の鬘<かつら>、三本太刀<さんぼんだち>など、典型的な荒事師の扮装に、竹の子笠をかぶり蓑<みの>を着て、太い青竹を手にして登場し、跳梁<ちょうりょう>する妖怪や怨霊<おんりょう>を花道から本舞台に押し戻す役とその局面。昭和9年(1934)4月、市川三升が復活上演(岡鬼太郎脚本)した。『鳴神』や『娘道成寺<むすめどうじょうじ>』の最後に、この役を登場させる演出も行われる。

初演年月 享保12年(1727)3月
原題名 国性爺竹抜五郎
こくせんやたけぬきごろう
初演者 二代目市川團十郎
初演劇場 中村座 (江戸)
テキスト:服部幸雄著『市川團十郎代々』(講談社刊)より
写真:福田尚武撮影