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助六(すけろく)

 江戸吉原で全盛<ぜんせい>の花魁<おいらん>揚巻<あげまき>の愛人である侠客<きょうかく>花川戸の助六は、武士の髭の意休<ひげのいきゅう>と対立する。さんざんに悪態をついて喧嘩<けんか>をしかけ意休を怒らせ、刀を抜かせる。助六は曾我五郎の仮の姿で、源家の重宝友切丸<ともきりまる>の行方を詮議<せんぎ>していたのである。江戸ッ子の代表のような美男子の助六と、意気地と張りを特徴とした吉原の遊女揚巻。悪所<あくしょ>を背景にして展開する大衆の祝祭劇。

初演年月 正徳3年(1713)4月
原題名 花館愛護桜
はなやかたあいござくら
初演者 二代目市川團十郎
初演劇場 山村座 (江戸)
テキスト:服部幸雄著『市川團十郎代々』(講談社刊)より
写真:福田尚武撮影